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米国ベンチャーキャピタルのファンド募集、投資活動、投資先Exitの動向

米国VC統計チェック(2023年;第2四半期)

【米国VCファンド募集】

2023年第2四半期のファンド募集総額は$21Bで、第1四半期から75%増加した。しかし通年に換算すると前年を80%下回るペースである。

VCの投資余力は2023年第2四半期の時点で$280Bとなっている。Exit環境の先行きが見えず、資金を温存する必要から、投資活動は慎重化している。

一方で、VCの投資先は5万社にのぼる。単純計算すると、投資余力は1社につき$5~6Mであり(2023年第2四半期の平均調達額は$13M)、投資先の選別と淘汰が加速すると見られる。

【米国VC投資活動】

2023年第2四半期のVC投資総額は$40Bで、通年換算で前年を31%下回るペースだった。投資件数は3,011件で、同じく26%下回っている。

スタートアップは人員削減やつなぎ融資により、エクイティ資金調達の先送りを図っているが、2023年第2四半期のVC投資の14%はダウンラウンドだった。

エンジェル投資家やVCは既存投資先の支援に追われる傾向にあり、2023年第2四半期のシードステージの資金調達は第1四半期から26%減少した。

CVCが参加したVC投資は、件数ベースで38%、金額ベースで15%、前年を下回るペースとなっている。

【米国VC投資先Exit】

2023年第2四半期のVC投資先Exitは279件だった(通年換算で前年を15%下回るペース)。うちIPOは8件で全体の3%と低迷している。

Exitバリュエーションの総額は$6Bで(通年換算で前年を68%下回るペース)、2013年以来の低水準が続いている。

データ出典:National Venture Capital Association

米国VC統計チェック(2023年;第1四半期)

【米国VCファンド募集】

2023年第1四半期のファンド募集総額は$12Bで、2022年第4四半期から6%減少した。通年に換算すると前年を73%下回るペースとなっている。

VCの投資余力は2022年第4四半期の時点で$289Bに達した。しかし、Exit環境の先行きが見えず、資金を温存する必要から、投資活動は慎重化している。

【米国VC投資活動】

2023年第1四半期のVC投資総額は$37Bで、通年換算で前年を40%下回るペースだった。投資件数は3,888件で、同じく16%下回っている。

ほぼすべてのカテゴリーで減速しているが、とくにレートステージの資金調達の金額やバリュエーションの落ち込みが顕著となっている。

CVCによる投資金額も減少していると見られるが、投資件数ベースでの参加比率という観点では増加している。

【米国VC投資先Exit】

2023年第1四半期のVC投資先Exitは227件だった(通年換算で前年を33%下回るペース)。うちIPOは20件で全体の9%を占めた。

Exitバリュエーションの総額は$6Bと、2013年以来の低水準に落ち込んでいる。

データ出典:National Venture Capital Association

米国VC統計チェック(2022年;通年)

【米国VCファンド募集】

2022年のファンド募集総額は$163Bで、前年から6%増加した。

市場環境は悪化しているが、昨年来の勢いが残っていたのと、実績あるVCのファンド募集が続いた。

VCの投資余力は2022年9月末時点で過去最大の$290Bに達している。

【米国VC投資活動】

2022年のVC投資総額は$238Bで、前年から31%減少した。投資件数は15,852件で前年を14%ほど下回った。

とくにレートステージ以降の資金調達の金額やバリュエーションが大幅に下落している。

投資信託、PEファンド、ヘッジファンドによる投資が急減したが、CVCによる投資は比較的に堅調である。

【米国VC投資先Exit】

2022年のVC投資先Exitは前年を37%下回る1,208件だった。うちIPOは76件で全体の6%を占めた。

Exitバリュエーションの総額は$71Bと、前年の10分の1弱に落ち込んでいる。

データ出典:National Venture Capital Association米国IPO週報