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About Sho434Q

坂崎 昌平 (Shohei Sakazaki):日系ベンチャーキャピタルの米国法人代表者を経て、2006年にシリコンバレーでTransCapを設立しました。テクノロジー業界動向調査、日米間のパートナーシップ支援、ベンチャー投資やM&Aの財務助言など、新規事業開発に関するサービスを提供しています。「米国IPO週報」発行人です。

米国IPO週報 – 2017/06/19

【米国IPO】

6月12日の週は2社が株式公開しました。

Athenex(ATNX)
・バイオ(ニューヨーク州Buffalo)
・がん治療薬;経口抗がん剤、キナーゼ阻害剤
・設立2003年、従業員429名
・売上$21M、損失$118M、時価総額$663M
・$66M調達、初日14%上昇

Boston Omaha(BOMN)
・不動産(マサチューセッツ州Boston)
・屋外広告、住宅ローン保証保険、不動産管理など
・設立2015年、従業員43名
・売上$5M、損失$3M、時価総額$147M
・$72M調達、初日2%上昇

【ベンチャーM&A】

ベンチャーおよびテクノロジー関連のM&Aでは下記のような案件が話題になりました。

・Whole FoodsをAmazonを買収(オーガニック食品スーパー;$13.7B)
・ViaWestをPeak 10が買収(データセンタ;$1.7B)
・TicketflyをEventbriteが買収(チケット販売;Pandoraが$200Mで譲渡)
・Ravel LawをLexisNexisが買収(リーガルインフォマティクス)
・The Room RingをRoomiが買収(ルームメート検索)
・TrustYouをリクルートが買収(宿泊施設クチコミ)

【ベンチャーファイナンス】

未公開企業による資金調達のなかで目立ったものをご紹介します。

<半導体、エレクトロニクス、モビリティ、etc.>

・中国バイクシェアのMobikeが$600M(自転車)
・中東配車アプリのCareemが$150M
・人工知能プラットフォームのElement AIが$102M(Intel、Microsoft、Nvidiaも出資)
・ゲーム用PCのShadowが$57M
・電動バスのProterraが$55M
・トラック運転手アプリのTrucker Pathが$30M(ナビ、マーケットプレース;RenRenも出資)
・中国カーシェアのPonycarが$22M(電気自動車)
・レストラン調理ロボットのMomentum Machinesが$18M(Googleも出資)
・無線通信技術のPivotal Commwareが$17M(ホログラフィック・ビーム・フォーミング)
・自動運転車マシンビジョンのAEyeが$16M(固体LiDAR;Intel、Airbusも出資)
・人工知能音声プラットフォームのSnipsが$13M
・自動車修理見積もりアプリのSnapsheetが$12M(複数の工場が入札)
・P2PカーシェアのSnappCarが10Mユーロ
・家庭用センサのNotionが$10M
・アメフトヘルメットのVICISが$10M(安全性向上)
・無線スペクトラム可視化システムのDigital Global Systemsが$9M(通信インフラ最適化)
・ランタイム暗号化のFortanixが$8M(Intel SGX利用)

<エネルギー、環境、農業、etc.>

・住宅向け太陽光発電のSunnovaが$140M(融資枠)
・昆虫由来タンパク質のProtix Biosystemsが$50M(飼料)
・ベビーリーフのBowery Farmingが$20M(植物工場)

<ライフサイエンス、ヘルスケア>

・健康指導プログラムのOmada Healthが$50M
・腰部脊椎管狭窄症治療機器のVertosが$28M
・遺伝子検査のCentogeneが$28M(希少遺伝性疾患)
・DNA合成受託サービスのTwistが$27M
・がん免疫治療薬のCheckmateが$27M
・生命科学研究開発支援サービスのLabConnectが$25M
・処方箋薬宅配のAlto Pharmacyが$23M
・人工呼吸器管理システムのART Medicalが$20M(胃逆流、唾液を監視)
・電子カルテ管理アプリのChartSpanが$16M
・医療教育のLucid Group Communicationsが$14M
・問題行動医療プログラムのMindstrongが$14M
・予防医療サービスのArivaleが$14M(DNA診断など利用)
・再生医療のAziyoが$12M
・睡眠改善ウェアラブルのDreemが$11M
・医療画像共有のFigure 1が$10M(Verizonも出資)
・イオントフォレシス局部麻酔のTuskerが$10M(小児中耳腔換気用チューブ挿入手術向け)
・脳動脈瘤治療機器のEvascが$10M
・骨移植片のGreenBoneが$9M(植物由来;竹)
・抗体医薬品のORUMが$8M
・眼科疾患治療薬のOcugenが$8M(眼移植片対宿主病など)
・ヘルスケアSNSのMyHealthTeamsが$7M
・バーチャルクリニック(遠隔診療)のCarenaが$6M
・がん治療薬のCybrexaが$6M(DNA修復阻害剤)
・問題行動ビデオ遠隔医療のRegroupが$6M

<教育、人材、働き方>

・従業員アンケートのCulture Amptが$20M(満足度の業界ベンチマーク比較)
・人材採用プラットフォームのEnteloが$20M
・大学授業支援のTop Hatが$8M(BYODソリューション)

<ICTインフラ、エンタープライズ、マーケティング>

・仕事用メッセージングアプリのSlackが$500M(募集中)
・事業継続リスク管理のFusion Risk Managementが$41M
・ビデオ配信最適化のConvivaが$40M
・契約管理のExariが$24M
・コンピューティングプラットフォームのInstabaseが$23M
・在庫処分マーケットプレースのINTURNが$23M
・データ・エンリッチメント・プラットフォームのCrowdFlowerが$20M
・Eコマース物流サービスのShipBobが$18M
・ITソリューションのaXiomaticが$17M(BPR、地理空間データシステムなど)
・電子署名のHelloSignが$16M
・コグニティブクラウドのCognitiveScaleが$15M(機械学習による顧客エンゲージメントなど)
・営業促進プラットフォームのHighspotが$15M(マーケティングと販売の連携支援;Salesforceも出資)
・フィールドサービス管理のDispatchが$12M
・サイバセキュリティのSqrrlが$12M(ビッグデータ解析による不正検知)
・Eコマース新規顧客開拓のROKTが$11M
・企業法務ツールのAtrium LTSが$11M
・なりすまし対策のTrusonaが$10M(IDカードリーダつきスマホトークン)
・オープンソース利用管理のWhiteSourceが$10M
・商業不動産マーケティングのBuildoutが$8M
・従業員位置情報APIのHyperTrackが$7M
・B2CマーケティングのZaiusが$7M(CRM)
・ライブ動画取得管理のMake.TVが$7M(放送局向け)
・携帯端末検知のBlueFox.IOが$7M(店舗内マーケティング、宿泊者数チェックなど)
・SNSコンテンツ効果解析のShareableeが$7M
・インターネット接続サービスのCommon Networksが$7M

<フィンテック、etc.>

・損害保険アプリのSureが$8M(コンシューマ向け)
・会計自動化のCeterusが$6M(スモールビジネス向け)

<メディア、コンシューマ>

・フィットネス教室アプリのClassPassが$70M(複数のジムを利用できる会員サービス)
・倉庫保管サービスのClutterが$64M
・モバイルゲームのScopelyが$60M
・自然派化粧品のYes Toが$56M
・クラフトピザのOath Craft Pizzaが$7M
・仮想現実エンタテイメントのNomadic VRが$6M
・モバイルゲームのTreasureHuntが$6M

* IPO以外は金額ベースで上位3件に絞り込んでいます。
他の案件はブログ版でご覧ください。
https://venturewatch.wordpress.com

【発行人】

TransCap 坂崎 昌平 – http://www.transcap.net

テックIPOレビュー(2017年5月)- Appian、Veritoneなど

先月はローコード開発プラットフォームのAppianが株式公開しました。初日に25%上昇しており、その後の株価推移も堅調です。ローコード開発(Low-code development;Rapid Application Deliveryとも言います)プラットフォームでは、GUI操作が中心でいちからコードを書かなくてもよいので、プログラミングの経験が少ない人であっても、ウェブやモバイルのアプリを短時間で作成できるそうです。出来合いのテンプレートやワークフローが用意されているので、IT部門のプログラマの作業負担を減らしたり、ビジネスマンがセルフサービスで業務アプリを作成したりできます。企業の様々な部門が様々な目的のアプリを使ってデジタル化(業務プロセス自動化)を進めることができ、日々の現場で生成変化する業務課題への迅速な対応や継続的な改善が可能になります。

類似のベンチャー企業として、Outsystems、Mendixなどがありますが、IPOはAppianが一番乗りとなりました。大手企業では、SalesforceがCRMの拡張機能を中心にAppCloud LightningやAppExchangeで同様のサービスを展開しています。最近ではEinsteinという人工知能による予測機能をアプリに実装できるようです。

人工知能関連では、Veritoneが株式公開しました。初日に13%下落しており、現在の時価総額は$172Mにとどまっています。同社の人工知能プラットフォームでは、Google、IBM、Microsoft、Nuanceなど複数の人工知能エンジンを使って、音声や動画などの非構造化データを解析できるそうです。もともとオンライン広告ビジネス(人工知能によるメディア検索・解析を生かした広告プレースメントなど)を展開していましたが、そちらの売上は減少傾向にあり、より汎用的なクラウドサービスへの業態転換を進めている最中とのことです。今回のIPOは、ハイプサイクルの幻滅期に入ったとも言われる人工知能に対する市場の冷静な評価が現れた形となりましたが、人工知能の応用普及の状況を把握する上で参考までに今後もウォッチを続けたい銘柄です。

【2017年5月のテックIPO】

Appian(APPN)
・ソフトウェア(バージニア州Reston)
・企業向けアプリ開発プラットフォーム
・設立1999年、従業員753名
・売上$135M、損失$18M、時価総額$704M
・$75M調達、初日25%上昇

SMART Global Holdings(SGH)
・エレクトロニクス(カリフォルニア州Newark)
・メモリ製造;DRAM、Flash;ブラジル市場向け
・設立1988年、従業員1,139名
・売上$627M、損失$8M、時価総額$228M
・$58M調達、初日22%上昇

Veritone(VERI)
・ソフトウェア(カリフォルニア州Newport Beach)
・人工知能プラットフォーム;メディアなど非構造化データ解析
・設立2014年、従業員150名
・売上$9M、損失$30M、時価総額$208M
・$38M調達、初日13%下落

【発行人】

TransCap 坂崎 昌平 – http://www.transcap.net

米国IPO週報 – 2017/06/12

【米国IPO】

6月5日の週は2社が株式公開しました。

Plymouth Industrial REIT(PLYM)
・REIT(マサチューセッツ州Boston)
・工業不動産投資;物流センター、倉庫、工場など
・設立2011年、従業員9名
・売上$20M、損失$23M、時価総額$89M
・$55M調達、初日n/a

ShotSpotter(SSTI)
・SPAC(デラウェア州Newark)
・発砲検知警報システム;銃声から位置を特定
・設立2004年、従業員70名
・売上$17M、損失$6M、時価総額$100M
・$31M調達、初日31%上昇

【ベンチャーM&A】

ベンチャーおよびテクノロジー関連のM&Aでは下記のような案件が話題になりました。

・Agency of TrillionsをIndiegogoが買収(イノベーション支援)
・PlacedをSnapが買収(広告効果測定;実店舗送客)
・SépageをTravelsoftが買収(旅行業データ解析)
・FieldlensをWeWorkが買収(建設現場コミュニケーション)
・Boston Dynamicsをソフトバンクが買収(ロボット;Googleから)
・Schaftをソフトバンクが買収(ロボット;Googleから)
・FoodlerをGrubHubが買収(食事宅配)

【ベンチャーファイナンス】

未公開企業による資金調達のなかで目立ったものをご紹介します。

<半導体、エレクトロニクス、モビリティ、etc.>

・高級スマホのEssentialが$300M
・電動バイクのAlta Motorsが$27M
・工場アプリのTulip Interfacesが$13M(IoTデータ解析と連動)
・スピーカーアレイのComhearが$12M(オーディオ、電話会議向け)
・材料化学データのCitrine Informaticsが$8M(人工知能で整理、マッチング)
・リアルタイム3DマッピングのCarmeraが$6M(自動運転向け)

<エネルギー、環境、農業、etc.>

・鉱業のBlackRock Metalsが$40M(バナジウム、銑鉄、チタンなど)
・地下水管理のMersinoが$20M(掘削・建設現場向け)
・モジュラー式高層住宅のFullStack Modularが$6M

<ライフサイエンス、ヘルスケア>

・補聴器のEarLensが$73M
・緑内障治療薬のTisburyが$32M
・希少遺伝子疾患治療薬のEloxxが$24M(嚢胞性線維症など)
・カメラ内蔵注射針のTriceが$19M(整形外科的診断機器)
・がん治療薬のQUE Oncologyが$16M(乳がん患者ホットフラッシュ治療薬も)
・うつ病治療機器のNeuroneticsが$15M(神経刺激;非侵襲)
・肺線維症治療薬のLungが$14M
・薬局検索サイトのDigital Pharmacistが$12M(薬局マーケティング)
・皮膚縫合ソリューションのZipLineが$12M
・止血剤のPlateletが$10M(血小板をiPS細胞から培養)
・睡眠時無呼吸診断アプリのRestedが$7M
・ヘルスケア個人情報管理のPatientoryが$7M(ブロックチェーン)

<教育、人材、働き方>

・オンライン講義のCourseraが$64M(MOOC)
・職業訓練プログラムのTrilogy Education Servicesが$30M(大学向け)
・匿名求職サイトのWorkeyが$8M

<ICTインフラ、エンタプライズ、マーケティング>

・オンライン広告DSPのMediaMathが$175M(融資枠)
・クラウドセキュリティのIllumioが$125M
・クラウドセキュリティのNetskopeが$100M
・高速検索APIのAlgoliaが$53M
・マスターデータ管理のRiversandが$35M
・ユーザ認証のYubicoが$30M(USBデバイスなど)
・IoTセキュリティのArmis Securityが$17M
・調達ソリューションのScout RFPが$16M
・スポーツビデオ撮影解析システムのPlaySight Interactiveが$11M
・ブランドマーケティングのAutomatが$11M(チャットボット)
・クラウドセキュリティのObsidianが$10M
・脆弱性診断のBalbixが$9M(ブリーチ対策)
・プロセス検証のStratumnが$8M(ブロックチェーン)
・メッセージングAPIのWavecellが$8M
・デジタルコンテンツ著作権収入管理のStem Disintermediaが$8M(YouTuberなど)
・オフィス食事宅配のChewseが$7M
・美容サロン業務管理アプリのShedul.comが$6M
・アフターサービス予測マーケティングのEntytleが$6M

<フィンテック、etc.>

・買掛金決済自動化のAvidXchangeが$300M
・投資管理プラットフォームのAddeparが$140M
・不動産投資マーケットプレースのCadreが$65M
・P2P決済アプリのPlynkが$28M(メッセンジャー)
・決済処理・資金繰り外注サービスのBAM Worldwideが$10M
・子供向けデビットカードのGreenlight Financialが$8M

<メディア、コンシューマ>

・インテリアデザイン情報サイトのHouzzが$400M(時価総額$4B)
・ビジュアルブックマークのPinterestが$150M(時価総額$12.3B)
・ゲーマー向けチャットアプリのDiscordが50M
・中古ブランド品売買サイトのThe RealRealが$50M(委託販売)
・食材宅配のShiptが$40M(スーパー買い物代行)
・アパレル製造直販のUntuckitが$30M
・シーフード料理キットのFishpeople Seafoodが$12M
・同性愛者向けホテルチェーンのmisterb&bが$9M
・ラジオ番組配信アプリのAudioburstが$7M(人工知能によるレコメンデーション)
・モバイルコマースのPackagdが$6M(TV通販のような商品説明動画)

【発行人】

TransCap 坂崎 昌平 – http://www.transcap.net