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米国ベンチャーキャピタルのファンド募集、投資活動、投資先Exitの動向

米国VC統計チェック(2025年;第2四半期)

【米国VCファンド募集】

2025年上半期のファンド募集総額は$27Bだった。通年に換算すると前年を34%下回るペースとなっている。VCの投資余力は2025年第2四半期の時点で$311Bに増加している。

【米国VC投資活動】

2025年第2四半期のVC投資総額は$70Bだった。第1四半期の$92B(OpenAIの$40B、Anthropicの$4.5B、Super Intelligenceの$2Bを含む)からは減少したが、第2四半期も引き続きAI関連(ScaleAIの$14B、Thinking Machinesの$2B)がけん引している。

上半期の投資金額($163B)を通年換算すると、前年を52%上回るペースで、2021年のピーク($359B)に迫る勢いとなっている。

2025年第2四半期の投資件数は4,001件で第1四半期からほぼ横ばいとなっている。資金調達金額やバリュエーションの平均値はいずれのステージでも上昇傾向にある。

CVCが参加したVC投資の全体に占める比率は件数ベースで22%と減少傾向が続いているが、AI関連への傾斜が進んでいる(件数ベースで42%)。

【米国VC投資先Exit】

2025年第2四半期のVC投資先Exitは394件だった。うちIPOは15件で全体の4%を占めた。2025年上半期のExitバリュエーションの総額は$120Bで、通年換算すると前年を59%上回るペースとなっている。

2025年第2四半期の主なVC投資先IPOは下記の通り。

Chime(モバイル銀行;IPO時の時価総額$11.4B)
Circle(ステーブルコイン;$7.9B)
Caris(AI分子診断;$6.1B)
eToro(グローバル投資アプリ;$4.9B)
Hinge(フィジカルセラピー自動化;$3.1B)
Slide(住宅保険;$2.4B)
Voyager(宇宙ステーション;$1.9B)
MNTN(コネクテッドTV広告;$1.4B)
Omada(遠隔健康指導プログラム;$1.2B)

データ出典:National Venture Capital Association米国IPO週報

米国VC統計チェック(2025年;第1四半期)

【米国VCファンド募集】

2025年の第1四半期まで(3か月間)のファンド募集総額は$10Bだった。通年に換算すると前年を49%下回るペースとなっている。

VCの投資余力は2025年第1四半期の時点で$290Bに減少している。一方で、現存する未公開のVC投資先は58,500社にのぼる(2024年末時点)。

単純計算すると、投資余力は1社につき$5M弱であり(2024年の平均調達額は$14M)、資金調達環境は厳しさが増している。

【米国VC投資活動】

2025年の第1四半期までのVC投資総額は$92Bで、通年換算で前年を71%上回るペースとなっている。投資件数は3,990件で、同じく7%上回っている。

OpenAI($40B)、Anthropic($4.5B)、Infinite Reality($3B)といった生成AIの大型案件が資金調達金額を引き上げた。

全体としては、米国政府の支出削減や関税政策の混乱など、スタートアップの事業環境の不透明化を反映して、VCの投資活動は抑制される傾向にあるようだ。

CVCが参加したVC投資の全体に占める比率は件数ベースで23%と昨年と同水準で推移している。

【米国VC投資先Exit】

2025年の第1四半期までのVC投資先Exitは385件だった(通年換算で前年を22%上回るペース)。うちIPOは12件で全体の3%と低迷している。

2025年の第1四半期までのExitバリュエーションの総額は$56Bで、通年に換算すると昨年を42%上回るペースとなっている。その総額の40%をCoreWeaveのIPOが占めた。

データ出典:National Venture Capital Association

米国VC統計チェック(2024年;通年)

【米国VCファンド募集】

2024年のファンド募集総額は$76Bで、前年から22%減少した。コロナ危機前の2019年に近い水準であるが、その後のインフレを考慮すると相当な落ち込みが続いている。

VCの投資余力は2024年第4四半期の時点で$308Bとなっている。一方で、現存する未公開のVC投資先は58,500社にのぼる。

単純計算すると、投資余力は1社につき$5Mであり(2023年の平均調達額は$14M)、資金調達環境は厳しさを増している。

【米国VC投資活動】

2024年のVC投資総額は$209Bで、前年から29%増加した。投資件数は15,260件で前年から4%増加した。

背景として金融緩和やAI投資ブーム、Exit市場の回復傾向があり、政権交代による規制緩和への期待もでている。

CVCが参加したVC投資の全体に占める比率(件数ベース)は23%で前年とほぼ同じ水準で下げ止まっている。

【米国VC投資先Exit】

2024年のVC投資先Exitは前年を10%上回る1,259件だった。Exitバリュエーションの総額は$149Bと、前年を24%ほど上回っている。(いずれも推定値で後から修正される。)

VC投資先ExitのうちIPOは昨年を25%下回る64件で全体の5%を占めた。

大型IPO案件としては、ServiceTitan(フィールドサービス管理;IPO時価総額$7.2B→現在$8.9B)、Rubrik(クラウドデータ管理;$6.6B→$12.4)、Tempus AI(精密医療;$6.4B→$5.5B)、Reddit(匿名掲示板サイト;$6.4B→$30B)、Pony.ai(自動運転;$5.1B→$4.7B)があった。

データ出典:National Venture Capital Association米国IPO週報


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