米国IPO週報 – 2025/01/06

今週は、2件のIPO、7件のM&A、8件のベンチャー資金調達を紹介しています。

注目スタートアップは、連合学習(分散データ協業)、分散型ワイヤレスネットワーク(未使用帯域幅を共有して報酬を獲得)、プリペイドデビットカード(Bitcoinリワード)、クロスチェーン暗号資産デリバティブ取引決済インフラ、などです。

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【米国IPO】

12月30日の週は2社が株式公開しました(SPAC、REITを除く)。

INLIF(NASDAQ:INLF)
https://www.yiwate88.com/
・製造(中国Nan’an)
・射出成型機用マニピュレータアーム
・設立2016年、従業員114人
・売上$14M、利益$1M、時価総額$58M
・調達$8M、初日11%上昇

【ベンチャーM&A】

ベンチャーおよびテクノロジー関連のM&Aでは下記のような案件が話題になりました(交渉中や承認待ちを含む;金額は買収価格)。

SoftchoiceをWorld Wide Technologyが買収(ソフトウェア資産管理;$1.2B)
https://www.softchoice.com/

【ベンチャーファイナンス】

未公開企業による資金調達のなかで目立ったものをご紹介します(数字は今回の調達金額)。

<半導体、ロボティクス、モビリティ、他>

ウエハ試験のSJ Semiが$700M
http://www.e-sjsemi.com/

<環境、エネルギー、食糧生産>

尿素プラントのNextChemが$128M(低炭素肥料/燃料;融資枠)
https://www.nextchem.com/en/

< ICTインフラ、エンタープライズ、マーケティング>

生成AIのPerplexityが$500M(チャットボット型検索エンジン;Telefonica、ソフトバンクも出資;時価総額$8.5B)
https://www.perplexity.ai/

<フィンテック>

プリペイドデビットカードのFoldが$20M(Bitcoinリワード;融資枠)
https://foldapp.com/

【米国IPO予定】

今後は下記の企業が株式公開する予定です(SPAC、REITを除く)。

HW Electro(NASDAQ:HWEP)
小型商用EV;日本
https://hwelectro.co.jp/

Year in Review 2024

【2024年の米国IPO市場】

2024年はS&P500が23%上昇、DJIが13%上昇、NASDAQが29%上昇しました。背景として、金融緩和、堅調な企業業績や経済統計、AI投資ブームと自動化による生産性向上への期待、政権交代による法人減税や規制緩和への期待などがありました。

2024年の米国市場での株式公開は149社(前年比38%増)でした。調達総額は$30Bで前年($19B)の1.6倍に増加しました。2021年のピークから件数ベースで6分の1、金額ベースで18分の1に落ち込んだ2022年から徐々に回復しています。

業界別の内訳は、ヘルスケアが23%(前年18%)、産業が23%、コンシューマが16%(前年19%)、テクノロジーが15%(前年22%)となっています。

時価総額が$10Bを超える大型案件は、Lineage(冷凍倉庫/輸送;$19.4B)、Kaspi.kz(スマホ決済アプリ;$17.6B)、Viking(クルーズ旅行;$10.7B)の3社でした。

2025年は大型IPO候補として、Cerebras(AIチップ/スパコン)、Chime(モバイル銀行)、Circle(グローバル決済;ステーブルコイン)、CoreWeave(GPUクラウド)、Databricks(データ統合解析)、Discord(チャットアプリ)、Klarna(Eコマース決済)、Kraken(暗号通貨取引所)、Liquid Death(缶入り飲料水)、Shein(アパレル通販)、Stripe(オンライン決済)、SpaceX(宇宙輸送/衛星通信)などが期待されています。

【2024年のVC投資先IPO】

VC投資先のIPOによるExitは第3四半期までの9か月間で51件と前年同時期(25件)を100%上回るペースで推移しています。

【関連データ】

  • 2024年のIPO件数:149社(2023年108社、2022年71社)*
  • 2024年のIPO調達総額:$30B(2023年$19B、2022年$8B)
  • 2024年のIPO後の平均リターン:18%(2023年55%、2022年▲57%)**

* 2024年の日本のIPO件数は86社(2023年96社、2022年91社)
** Renaissance US IPO Index:直近2年間の米国IPO銘柄について時価総額ベースで上位80%を加重平均した指標(米国投資顧問会社の上場投資信託商品);2024年12月31日引値ベース

データ出典:National Venture Capital Association、Reneissance Capital、庶民のIPO、米国IPO週報


2024年の定点観測はこちら
2024年のベンチャー資金調達(カテゴリー別 Top 5)はこちら
2024年の米国VC統計チェックはこちら
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定点観測(2024年;通年)

【株式市場】

  • 2024年はS&P500が23%上昇、DJIが13%上昇、NASDAQが29%上昇;背景として、金融緩和、堅調な企業業績や経済統計、AI投資ブームと自動化による生産性向上への期待、政権交代による法人減税や規制緩和への期待など

【金利、為替、商品、暗号資産、雇用、物価】

  • 米10年国債 (^TNX):2022年12月末3.87%(年間236bp上昇)→ 2023年12月末3.87%(年間±0bp)→ 2024年12月末4.57%(年間70bp上昇)
  • 米ドル(JPY/USD;JPY=X):2022年12月末131.13(年間14%円安)→ 2023年12月末141.43(年間8%円安)→ 2024年12月末157.10(年間11%円安)
  • Bitcoin($;BTC-USD):2022年12月末16,604(年間64%下落)→ 2023年12月末42,046(年間153%上昇)→ 2024年12月末92,643(年間120%上昇)
  • 原油(WTI先物;CL=F):2022年12月末80(年間7%上昇)→ 2023年12月末71(年間11%下落)→ 2024年12月末72(年間1%上昇)
  • ガソリン小売価格($/ガロン):2022年12月末3.20(年間5%下落)→ 2023年12月末3.24(年間1%上昇)→ 2024年12月末3.13(年間3%下落)
  • 物価上昇率(CPI;前月比):2022年11月0.1%(前年同期比7.1%)→ 2023年11月0.1%(前年同期比3.1%)→ 2024年11月0.3%(前年同期比2.7%)
  • 失業率:2022年11月3.7%(年間0.5%下落)→ 2023年11月3.7%(年間±0%)→ 2024年11月4.2%(年間0.5%上昇)

【米国IPO】(IPOHomeのデータ)

  • 2022年71社(前年比82%減)→ 2023年108社(前年比52%増)→ 2024年149社(前年比38%増)
  • 2024年の主なIPO(数字は時価総額):Lineage(冷凍倉庫/輸送;$19.4B)、Kaspi.kz(スマホ決済アプリ;$17.6B)、Viking(クルーズ旅行;$10.7B)、LATAM Airlines(航空会社;$7.3B)、ServiceTitan(フィールドサービス管理;$7.2B)、Rubrik(クラウドデータ管理;$6.6B)、Tempus AI(精密医療;$6.4B)、Reddit(匿名掲示板サイト;$6.4B)、Amer Sports(スポーツ用品;$6.4B)、Astera Labs(データセンタ向け接続ソリューション;$6.3B)、UL Solutions(安全規格認証;$5.6B)、Ingram Micro(法人向けIT;$5.3B)、WeRide(自動運転;$5.2B)、ZEEKR(電気自動車;$5.2B)、Pony.ai(自動運転;$5.1B)、OneStream(企業財務管理;$5B)など

【ベンチャー資金調達】(米国IPO週報の集計)

  • 2022年は2,667社による$227Bの調達を掲載 → 2023年は2,202社による$171Bの調達を掲載 → 2024年は3,044社による$256Bの調達を掲載
    • 2024年は、ICTインフラ/エンタプライズ/マーケティングが37%、ライフサイエンス/ヘルスケアが17%、半導体/ロボティクス/モビリティが16%を占めた(金額ベース)
    • 2024年の$1Bを超える大型資金調達
会社名製品サービス(備考)調達額($M)
OpenAI生成AI(ソフトバンク、Nvidia、Microsoftも出資;時価総額$157B;$4Bは融資枠)10,600
Databricksデータ統合解析(時価総額 $62B)10,000
CoreWeaveGPUクラウド($7.5Bは融資枠;時価総額$17.9B)8,600
xAI生成AI6,000
Waymo自動運転車(Alphabet傘下)5,600
xAI生成AI(時価総額$50B)5,000
H2 Green Steelグリーン製鉄(水素で石炭を代替;EU助成金;$4.6Bは融資枠)4,900
ACCEVバッテリー(Mercedes、Stellantis、Saftによる融資枠)4,800
AnthropicAI(安全性重視;Amazonが出資)4,000
AnthropicAI(Amazonが出資)2,750
DataBankデータセンタ2,000
Epicゲーム開発(メタバース;Disneyが出資)1,500
G42AI(Microsoftが出資)1,500
Anduril無人哨戒システム(ドローン、無人潜水艇など;時価総額$14B)1,500
MartelloRe再保険($360Mは融資枠)1,300
Tricentisソフトウェア品質管理(テスト自動化;時価総額$3.2B)1,300
Wayve自動運転システム(Nvidia、Microsoftも出資)1,100
XairaAI創薬1,000
Wizクラウドセキュリティ(Salesforceも出資;時価総額$11B)1,000
Scale機械学習データアノテーションAPI(Nvidia、Meta、Intel、Cisco、AMD、Amazonも出資;時価総額$12.8B)1,000
Safe Superintelligence生成AI(安全性重視)1,000
  • 本データのカバレッジ率については下記URLの「ベンチャーファイナンス」についての説明をご参照ください。
    https://usipoweekly.com/about/