米国VC統計チェック – 2014年(通年)

【米国VCファンド募集】

・2014年のファンド募集総額は$30Bとなった。
・「VC投資先IPO増加 → ファンドのパフォーマンス改善およびリミテッド・パートナーへの分配増加 → 新ファンドへのコミットメント増加 → 投資活動の活発化」という好サイクルが回っている。
・季節的なものかもしれないが四半期毎では減少傾向にある。

【米国VC投資活動】

・2014年のVC投資総額は$48Bに達した。
・金額ベースでは前年比61%の伸びとなっているが、件数ベースでは前年比4%にとどまっている。UberやFlipkartが$1B以上を調達しており、$100M以上を調達した「メガ・ディール」が40件あったとのこと。
・セクター別では、ソフトウェアが金額ベースで41%を占めた。

【米国VC投資先Exit】

・IPO市場は引き続きバイオを中心に堅調;Q4の大型案件は、LendingClub($1B調達)、など
・主要先進国での金融緩和政策継続によるカネ余り、堅調な株式市場と強気な投資家心理が追い風となった。
・M&Aも455件と前年を上回った;Q4の大型案件は、Facebook/Whatsapp($19.5B)、Johnson & Johnson/Alios BioPharma($1.8B)、など

データ出典:National Venture Capital Association

米国VC統計チェック – 2014年第3四半期

【米国VCファンド募集】

・ここ数年はかなり低迷していたが、2014年は年間$32Bに達するペース。
・「VC投資先IPO増加 → ファンドのパフォーマンス改善およびリミテッド・パートナーへの分配増加 → 新ファンドへのコミットメント増加 → 投資活動の活発化」という好サイクルが回り始めた。
・主要先進国での金融緩和政策継続によるカネ余り傾向も追い風となっている。

【米国VC投資活動】

・2014年は(Q2からQ3にかけて若干減速したが)年間$44Bに達するペース。1日平均12件。2001年以来の高水準で投資が進んでいる。
・スタートアップが様々な既存業界に変革をもたらすなか、ベンチャー投資への参加者の幅も広がっている(事業法人、ヘッジファンド、投資信託など)。
・セクター別では、比率の高い順に、Q2からQ3にかけて、ソフトウェアが減少、メディア関連が増加、バイオ・医療機器が減少した。

【米国VC投資先Exit】

・IPO市場は引き続きバイオを中心に堅調;Q3の大型案件は、Mobileye($1.1B調達)、など
・主要先進国での金融緩和政策継続によるカネ余り、堅調な株式市場と強気な投資家心理が追い風となっている。
・M&Aも前年を上回り450社を超えるペース;Q3の大型案件は、Facebook/Oculus($1.9B)、Amazon/Twitch($1B)、など

データ出典:National Venture Capital Association

米国VC統計チェック – 2014年第2四半期

【米国VCファンド募集】

・ここ数年はかなり低迷していたが、2014年は年間$30Bを超えるペース。
・「昨年来の投資先IPO増加 → ファンドのパフォーマンス改善およびリミテッド・パートナーへの分配増加 → 新ファンドへのコミットメント増加 → 投資活動の活発化」という好サイクルが回り始めたように見える。
・主要先進国での金融緩和政策継続によるカネ余り傾向も追い風となっている。

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【米国VC投資活動】

・2014年は年間$40Bを超えるペース。2001年以来の高水準で投資が進んでいる。
・セクター別では、ソフトウェア、バイオ、メディア関連が牽引した。一方、法人向け製品サービス、通信、半導体などは減少傾向にある。
・近年、再びコーポレートVCが活発化しており、2013年1~9月はVC投資総額の11.3%に達した(1995年5.9%→2000年14.4%→2003年6.5%→2006年9.5%→2009年6.5%→2012年8.2%)。

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【米国VC投資先Exit】

・IPO市場はバイオを中心に引き続き堅調である。
・主要先進国での金融緩和政策継続によるカネ余り、堅調な株式市場と強気な投資家心理が追い風となっている。
・M&Aはやや減速傾向にある;ベンチャーはIPO志向、大企業は買い控えか。

exits-q12014

データ出典:National Venture Capital Association